土地は誰のもの?

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植物の配達に伺ったお宅で、その植物の置き場所の相談を受けた話の流れの中で、その方の庭に植えてある木が塀を越えてお隣に入ると、隣家からクレームが入るという話を聞いた。ボウボウに伸びていなくてもすぐに苦情が入るとのことだった。花木なので花の時期はなかなか美しいと思うのだが、お隣の方のこの感覚をとやかく言うのは難しい。私も、自宅のバルコニーの大壺の中の水換えをした時に、ゴミで詰まった雨受けから漏れた大量の水が、隣家の敷地に連続して落ちた際、音を聞きつけた奥様に、「困るぅ!」と金切り声で発狂された。地球上のすべての土地が誰かのものになっている。土地は人間だけのものではなく、動物や昆虫や植物たちのものでもある。住宅地の野良猫たちは通り過ぎるだけなら黙認されるが、糞をしたり自家用車によじ登ったりしたら激怒され、野良猫をも可愛がる私は敵となる。インドでは、野良猫や野良犬だけでなく野良牛がたくさん街中にいて、道路横断時は車の方が通り過ぎるのを待つ。トルコの都市に住む野良猫たちは、街中のみんなに可愛がられて、万人のペットとなっている。多くの日本人は、これを後進国だから、と見なすが、はたしてそうだろうか?

2024.5.25  Hitoshi Shirata

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