余計な期待なく生きる

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我が家の5匹の猫は全て保護猫だ。今の5匹の前に三毛の捨て猫を拾って飼っていたが、外との行き来を自由にさせていたら、交通事故で亡くなってしまった。それ故に今の5匹は完全室内飼いだ。そのうち3匹は兄妹で保護活動家から譲り受けた。保育園の門前に箱に入れて捨てられていたらしい。4匹目は道路の反対側に建つ一軒家の植栽の中で、捨て猫が三日三晩助けを求めて鳴き続けていたので、家に連れて来た。5匹目は野良だった。12月のクソ寒い時期にガリガリに痩せた母猫に咥えられているのを見て、思わず餌を与えてしまった。隣家の旦那様が猫が苦手のようで、駐車している車の上に乗って足跡がついたり車の真下に糞をすることに激怒し、苦情が来てしまった。警戒心の強い母猫は捕獲機で捕まえ避妊手術をして、人懐こかった子猫を家猫にした。動物たちは生き様の手本だ。たとえ加齢で体力が衰えても、若い頃は良かったなあ、とは思わず、交通事故で足が不自由になっても、なぜ通事故なんかに合ったんだろう、と後悔もしない。欲望も無いわけではないのに、人のように果てしない欲望にかられることはない。ただ現状を淡々と生きるのみだ。それこそが幸せのヒントとなる。

2024.5.16  Hitoshi Shirata

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