『ZOMO』

1971年に旅行で来日し、ひょんなことからそのまま日本に定住する事になったヨーガン･レール。その当初から展開されたオリエンタルテイストの生活雑貨と布ものは、今も昔も天然素材の持ち味を活かしたつくりで、年代や性別、国籍を問わず、人気があります。常に真摯な眼差しで自然と向き合い、そこから得たインスピレーションをモチーフにする。とてもシンプルだけれど、ここ30年あまりの激動の日本の情勢の中、こんなにもまっすぐ変わらずにいられること、それが人気の秘密なのかもしれません。本書は、インド北部からパキスタンのカラコルム山岳地帯にわたり、インダス川から流れ出る支流のほとりで出合ったものたちを、ヨーガン･レール自身が歳月をかけて撮らえたもの。時とともに相貌を変化させ続ける山や川、石、草花のあるがままの美しさ。どの写真も一見とても静かなのだけれど、じっくり見ていくと、写された大地や草花の奥に潜む生命が、じわじわと胎動してくるようです。

著者：ヨーガン・レール

出版社：ヨーガン・レール

2008.10.15  Yoshitaka Haba : BACH