『庭仕事の愉しみ』
ドイツ文学を代表するノーベル賞作家、ヘッセ。難解で精神世界的な印象の強い彼だけれど、ドイツの穏やかな風景を描いたノスタルジックで牧歌的な詩文も多く、さらには水彩画などの風景画も多く残しています。「土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、魂を解放させてくれるのです」ーー激動の戦争を体験した後半生、執筆以外の時間の大半を費やした庭仕事の中に、ヘッセは尽きぬ愉しみと、のちに彼の文学へと昇華してゆくさまざまな秘密を発見しました。「自然は寛大であると同時にまた容赦のないものである」。庭に佇みつつ、観察し、考える。土の匂いや花の色や枯れた匂い。本書はヘッセが庭から学んだ自然と人生に関する心理を綴った書であり、精神的園芸指南書であり、ヘッセの美しい画文集でもあるのです。
著者:ヘルマン・ヘッセ
出版社:草思社
2008.6.20 Yoshitaka Haba : BACH
幅 允孝(はばよしたか)
BACH(バッハ)代表。ブックディレクター。国立新美術館ミュージアムショップのスーベニアフロムトーキョーやLOVELESS、CIBONEなどにおける本のディレクションのほか、編集、執筆など、本周りのあらゆる分野で活動中。今年に入ってから、SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS、大阪の阪急百貨店メンズ館のThe Lobby、銀座のHANDS BOOKSがオープンしました。
URL: www.bach-inc.com