春の匂い
今日から3月ですね。今朝、ゴミを出すときに春の匂いを感じました。この匂いを嗅ぐと浮き浮きと気持ちが弾んできます。
「春眠暁を覚えず」といわれますが、みなさんきちんと寝ていますか? きっと50年前にはこの言葉がとてもリアルだったとは思うのですが、居住環境の変化や、忙しくしていることが当たり前となっている昨今では、こんな季節の変化をリアルに感じられる人がどのくらいいるでしょうか? そして最近の皆さんの平均睡眠時間はどのくらいでしょう?
充実している人 = 仕事も遊びもがんばっている人 = 忙しい生活を送っている人 = 睡眠時間が短い人 = 生産性が高いという意味で価値の高い人。 みたいな感覚に陥って睡眠時間を削っていませんか? 生産性の高い充実した生活を手に入れれば幸せになれるような気がしますが、実はこれ、「幸せな人」になることとは関係がない、全くレイヤーの違う話ですよね。
以前に、漫画家の水木しげるさんが新聞のコラムに書いていたことで「目から鱗」だった内容があります。騙されたと思って、毎日10時間の睡眠をとることを365日続けてみなさい。それを続ければ「幸せになれる」というのです。幸せを感じる感度が高くなるので些細なことからでも「幸せ」を感じるようになるのだという内容だったかと思います。
明らかに仏教的な考え方からきている見解ですが、これは環境問題の解決にも大きなヒントを与えてくれますね。幸福感はモノや出来事そのものではなくて、そのとらえ方のほうに依存しているので、何を格好いいと思うか、どんなライフスタイルに憧れるか(これも一種のファッション)の流行に左右されています。ですからこの流行のターニングポイントが地球環境問題を解決へと向かわせる鍵となることは間違いないでしょう。今の子供たちが「自然」と共生してゆけるライフスタイルに憧れるようにならなければ環境問題解決の糸口は全くつかめないままに時が過ぎてゆくはずです。
今の「エコ」でくくられている流行が、流行の大波が来る前の前兆だとすると、未来に希望がもてます。そして私がたずさわる園芸文化がその大波を引き寄せるのに一役かってくれればいいのですが。
春の匂いはきっと植物の匂いですよね。まずはこの匂いに心躍る人が増えて欲しいなっと思うのです。
2008.3.01 Hitoshi Shirata